協議会について

設立趣意書

1.設立の目的

 海外勤務者とその家族の健康管理に関わる問題を幅広く産業医学の視点から研究し得られる成果を海外勤務者ならびにその派遣企業に還元する方法を開発する。

2.研究会設立申請の経緯

 近年の経済のグローバル化の著しい進展とともに100万人を超える邦人が海外勤務し活躍されておられます。自然環境や言葉・生活慣習の違い、現地の人々や日本人社会の中での人間関係、さらには危険な風土病などさまざまなストレスに曝されています。 
遡って2003年の新興感染症としてのSARSの出現が工場閉鎖という経営の根幹をゆるがす問題をも惹起した事実は記憶に新しいところです。最近のMERSや種々の亜系の 鳥インフルエンザ、あるいは将来起こるかもしれない未知の感染症に対する不安が少なからずあります。一方、近年のBOP(Bottom/Base of Pyramid)ビジネスの展開に伴い、低開発国へ派遣され、食や水の安全、政治的軋轢、犯罪やテロの危険にも曝されている海外勤務者が増加しています。さらには異文化・言語の中でメンタル不調を引き起こし帰国を余儀なくされたり、自殺に至るケースも出ています。
海外勤務者がこのような様々なストレスを乗り越え、心身の健康を維持しつつ実績を重ねていただくためには、企業は健康配慮義務を果たし、産業保健スタッフは人事・ 労務と連携をとりつつ海外勤務者を心身両面からサポートすることが一層求められる時代になりました。
このような情勢を背景にして、日本産業衛生学会会員諸氏による意見交換や報告の場を設けて海外勤務に伴う諸問題を深堀りし、それを学会の研究成果として発信して企業や社会に還元することを企図して、「海外勤務健康管理研究会」を設立致します。

 

2016年1月1日
代表世話人:五味秀穂
財団法人 航空医学研究センター

 

↑ページトップへ